学会紹介

理事長あいさつ

理事長 桑野 博行

日本気管食道科学会理事長二期目を拝命して
─ 『いのちの入口,こころの出口』の領域に携わること ─

特定非営利活動法人 日本気管食道科学会 理事長
群馬大学大学院 病態総合外科学
桑野 博行

このたび伝統ある日本気管食道科学会理事長という大役の二期目を仰せつかりました群馬大学病態総合外科学講座の桑野博行でございます。

二年前に本学会の理事長を拝命した際には学会の理念や方向性など,ある程度の理解はしていたものの,その運用や事務的作業に関しては皆目不案内で,これらを熟知した上での運営の修得に終始した二年間で,ただひたすら先人の歩んでこられた歴史に恥ずることなく,またその activity を決して低下させることだけは避けるべきと自問自答しつつ任を果たして来た期間であったように思っております。この間,会員の皆様にはそのご期待に添えたか否か,はなはだ不安ではありますが,こうして理事長の二期目の機会をお与えいただきましたことは,今後,本学会の更なる発展に励むよう叱咤激励していただいたものと考え,誠心誠意,全力で務めて参る所存ですので,皆様何卒宜しく御願い申し上げます。

そこで理事長二期目を迎えるにあたり,本学会の基本的「意義」と「あり方」について原点に たち返り考えてみました。すなわち本学会が取り扱う「口腔」「咽頭・喉頭」「気管」「肺」そし て,「食道」という領域に関してであります。ヒトが生きてゆく上で最も基本的で重要なことは,「呼吸」と「摂食・嚥下」ということであります。私共のこの領域は,すなわち生命維持活動において最も基本的で重要な役割を担っている諸臓器群であり,「いのちの入口」というべき ものでしょう。一方,ヒトの思いや感情そして意思を音声として言葉で表現したり,表情として現れる心の動きなどを外へ表出する「こころの出口」として存在する臓器群でもあります。すなわち,私共の領域は,多くの専門領域からなる「学際性」を有しつつ,この「いのちの入口,こころの出口」を取り扱う専門集団といっても過言ではないと思っております。

今後,「専門医制度」,関連分野における「マニュアル作成」,更には,「学術的学会としての時代に即した学術集会,専門医集会のあり方」「会員,特に若手医師の増加」「財政基盤の安定」に加え,「本学会から海外への情報発信と国際交流」「気管食道科学会領域における臨床研究の推進」,そして「一般社会への情報発信を通しての貢献」などを会員の皆様のご指導とご助力のもとに推進して参りたいと考えております。

特に今後二年間は,まずは本学会の財政基盤の安定化のための方策,すなわち,財務支出の抑制のためにできうること,例えば,学会のアクティビティを落とさない中での学会誌のオンライン化や委員会の簡素化などの見直し,一方で会員の増加への対策など,「将来検討委員会」を新たに設立して迅速に検討を行っていただくことに致しております。

さらに,本学会の社会,そして医学界への貢献として,「外科的気道確保マニュアル」や,今般出版された「気道食道異物摘出マニュアル」など,本学会「ならでは」の「マニュアル」を作成していただき,医療における貢献は大いなるものと,ご尽力いただきました先生方に深甚の感謝を申し上げるとともに,本学会のあり方,意義を再認識させていただきました。この方面での学会としての貢献を皆様方のご協力で更に推進して参りたいと考えております。

また,臨床研究として,この領域に特化した臨床研究を,特に我が国における,さまざまな課題として,現状,治療,結果などの実況をつまびらかにしつつ,それを社会に,世界に発信することもわれわれの使命と考えており,是非皆様のご協力とご指導のもとに邁進して参りたいと存じております。

私の能力からしてできることは限られていることは十分承知しておりますが,会員の皆様のご協力のもとに,この伝統ある本学会を支えてきていただいた先達の先生方のご恩を胸に次世代 へ,より良い形で引き継ぐべく全力で努力を重ねて参る所存ですので何卒宜しく御願い申し上 げ,私の理事長二期目のスタートに際してのご挨拶とさせていただきます。