外科的気道確保マニュアル 第2版
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頸部の解剖と生理  11 静脈は正中および周辺に走行しており,術中止血操作をするうえで注意が必要である。特に前頸静脈,輪状甲状静脈,下甲状腺静脈群は手術操作で問題となる。また,外側・下方に操作が及べば,大血管へ侵襲のおそれもある。❸喉頭の神経(図Ⅱ-3) 迷走神経より分岐する上喉頭神経と反回神経が内喉頭筋群を支配するが,外科的手技上で損傷されることは多くはない。 上喉頭神経は,迷走神経が頸静脈孔を通り頭蓋を去り節状神経節の直下に達した位置で分岐する。内外2枝に分かれ,内枝は知覚を司り,甲状舌骨膜を貫き声門上部の粘膜に分布する。外枝は前筋に達し,その運動を司る。 図Ⅱ-2 頸部の動脈 図Ⅱ-3 喉頭の神経内頸動脈外頸動脈上甲状腺動脈上喉頭動脈輪状甲状枝甲状腺総頸動脈下甲状腺動脈鎖骨下動脈大動脈弓甲状舌骨膜外頸動脈上甲状腺動脈上喉頭動脈輪状甲状枝下喉頭動脈下甲状腺動脈甲状頸動脈内枝外枝上喉頭神経輪状甲状筋迷走神経反回神経総頸動脈Ⅱ

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