外科的気道確保マニュアル 第2版
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3 喉頭の構造と機能■ 喉頭軟骨群(図Ⅱ-4) 喉頭の枠組みは喉頭軟骨群によりつくられ,それぞれの軟骨は靱帯と膜様構造により支持されている。喉頭には6種類の軟骨がある。一つの輪状軟骨,甲状軟骨,喉頭蓋軟骨と,左右一ab12  Chapter Ⅱ.頸部の解剖と生理 反回神経は縦隔内で左側は大動脈弓,右側は鎖骨下動脈のレベルで迷走神経から分岐する。反回神経はそれぞれの動脈の前から後ろに反回し,気管食道溝を上行して輪状甲状関節の直後方から喉頭に入る。知覚線維は声門下の粘膜に分布し,また上喉頭神経内枝とガレンの吻合をなす。運動線維は前筋を除くすべての内喉頭筋群に分布する。すなわち,後筋,横筋,側筋の順に枝を出し,最終枝が内筋に達する。❹甲 状 腺 喉頭の下方で気管前壁に存在する。血流のよい臓器であり,周囲には静脈系が分布する。甲状腺の処理をいかに行うかは外科的気道確保を行ううえで重要な問題となる。a:前面b:後面 図Ⅱ-4 喉頭の軟骨群喉頭蓋軟骨甲状軟骨甲状軟骨板甲状軟骨板輪状軟骨輪状軟骨弓部輪状軟骨弓部喉頭蓋軟骨甲状軟骨輪状軟骨輪状軟骨板輪状軟骨板上角甲状切痕下角輪状甲状関節上角楔状軟骨小角軟骨披裂軟骨輪状披裂関節下角輪状甲状関節

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