i このたび日本気管食道科学会では,外科的気道確保マニュアルの第2版を発刊します。 2009年の初版の作成では,気管食道領域で最も生命と直結し重要なテーマである「呼吸路の確保」に関して,学会員の知識と手技の整理を目的としたことが,当時の甲能直幸理事長の巻頭言に記されています。それから14年の間,初版は会員の診療ならびに生涯教育に大いに役立ちました。 今回のマニュアル改訂では,昨今の経皮的気管切開術の実施数の増加と運用時のトラブル,気管切開術後のケアの問題に,第5,6章で対応しています。また付属の項目として,医療現場でのカニューレ関連事故からの教訓と,本学会の臨床研究課題として実施された気管切開術とその術後管理に関する全国実態調査の結果が追加され,ともに教育的な内容・報告になっています。これにより,全編を通して読むと外科的気道確保とそのリスクに関する情報が網羅され,充実した内容で視認性が良く,普及しやすいPDF仕様のマニュアルが出来上がりました。作成を担当された藤本保志委員長をはじめガイドライン・マニュアル委員会の先生方に,心より感謝を申し上げます。 この外科的気道確保マニュアル第2版は,会員の方々に引き続き,一般向けに学会HPから公開される予定です。多くの治療者の方々の参考になり,外科的気道確保を受ける患者さんの安全な治療に役立てば,本学会としてこれにまさる喜びはございません。 診療科や職種の枠を超えて,このマニュアルが実践書として普及することを願っています。2023年1月日本気管食道科学会理事長 香 取 幸 夫第2版発刊にあたって
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