外科的気管切開術 49されている 5)。❷Y字切開(図Ⅳ-12d) 7) 呼吸器を装用していると,管の重みで気管切開孔直上に負荷がかかりやすく,潰瘍,肉芽,陥凹などが生じやすい。このため,Y字に切開し,上部は皮膚と縫合する。下方は縦切開のため,牽引糸を両側にかけ,周術期に万が一事故抜去があった場合は糸を牽引しながら挿入することで,再挿入は容易である。気管孔上部の壁や輪状軟骨を内側に圧排することはないため,肉芽や気管孔上方の陥凹は予防できる。❸逆U字切開(Bjorkフラップ)(図Ⅳ-12e) 6) 大きくU字にフラップを作成するのではなく,1気管輪に限局して「コ」の字に切開し,下端の皮膚と縫合する。開窓術のためカニューレの誤挿入の可能性は少なく,再挿入も容易である。横方向に広げた孔であるため,カニューレ抜去後は1気管輪分を端々吻合する。 a:縦切開 気管前壁の左右に縫合糸をかけて,第2-3気管輪を正中で切開する。 b:紡錘形に開いた切開部位 c:縦切開したのちさらに左右を皮膚と縫合する。 d: Y字(T字)切開 第1-2気管輪の間を横に切開し,翻転させて皮膚と縫合する。左右は牽引糸で牽引する。 e: 逆U字切開(Bjork切開) 第1-2気管輪間に横に切開をいれ,1気管輪分に限局して両端を縦に切開。フラップの下縁を翻転させ,皮膚と縫合する。 図Ⅳ-12 幼小児の気管切開術abcⅣde
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