外科的気道確保マニュアル 第2版
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50  Chapter Ⅳ.外科的気管切開術 H字切開(Fee-Ward法) 上下左右を皮膚で被覆(守本倫子) 図Ⅳ-13 幼小児の気管開窓術b)気管開窓術❶H字切開(図Ⅳ-13) 8), 9) 皮膚を「工」または「U字の下方にハの字をつけた形」に切開し,気管は「H」字に切開したのち,気管と皮膚を4片で縫合して開窓する方法である。全周性に縫合することで,気管軟骨断端が露出しないようにする。これにより術直後から皮下にカニューレを誤挿入する可能性がなく,また孔が小さくなりにくいため,カニューレの事故抜去の際に再挿入も容易である。ただし,気管孔がカニューレのサイズに合わせて収縮しないため,呼吸器装用している場合,呼吸器圧の設定条件により気管孔周囲から空気の漏出が多く認められ,圧を高くすることが困難になることがある。

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