■ CBR法(SSDT) 現在本邦ではBLUパーク ®経皮的気管切開キット(スミスメディカル・ジャパン株式会社)とAspir-Ace ™経皮的気管切開キットNeoPerc ™(コヴィディエンジャパン株式会社)が入手可能である。以下に術式の概要を示す。 CBR法(SSDT)に特徴的な,角(つの)型の2次ダイレーターにガイディングカテーテルを装着してガイドワイヤーに沿って挿入し,気管穿刺部を本拡張する。この拡張に際し,事前に2次ダイレーターの拡張部を滅菌水で湿らせ,親水性コーティングの潤滑性を発現させておく。なお,キットによっては,ガイドワイヤーを通して,まずガイディングカテーテルを挿置し,次に2次ダイレーターをガイディングカテーテルに装着し,これを用いて本拡張するという手順となっている(図Ⅴ-3)。なお,本拡張時に用いたガイディングカテーテルをガイドワイヤーに残すか,気管切開チューブを挿入する次のステップで新たなガイディングカテーテルを用いるかに関しては,キット間で多少違いがある。最終ステップとして,ガイドワイヤー経由でガイディングカテーテル,イントロデューサー(オブチュレーターとも称される),気管切開チューブを一体として気管内へ挿入する(図Ⅴ-4)。気管切開チューブ以外をガイドワイヤーとともに抜去する。気管切開チューブのカフにエアを挿入,人工呼吸器に接続し,経喉頭的に挿入された挿管チューブを抜去する。オブチュレーターと気管切開チューブの組み合わせによっabcdef54 Chapter Ⅴ.経皮的気管切開術ガイドワイヤー経由で専用の鉗子を最初に気管前壁まで挿入し,先端を開くことで皮下組織を拡張する(a, b)。続けて鉗子先端を気管内まで挿入し,先端を気管切開チューブが入る程度まで広げ(c, d, f),その状態で鉗子を引き抜く本拡張を行う。内腔画像は,鉗子を閉じた状態での気管内への先端挿入時(e)と本拡張時(f)の状態を示す。(耳喉頭頸,87巻1号より許可を得て転載) 6) 図Ⅴ-2 GWDF法中盤の手技
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