外科的気道確保マニュアル 第2版
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4 ま と め 本邦の耳鼻咽喉科専門医研修基幹施設における気管切開術は,術式はSTが圧倒的に多く,ほとんどの施設で専攻医が執刀し,教育は手術室でのon the job trainingが中心であった。さまざまな面で安全性に配慮されて施行されている現状を確認できた。PDTは世界的に普及しているにもかかわらず,本邦の耳鼻咽喉科専門研修プログラムに未だ取り入れられていない。もちろん,STによる気管切開術の基本を学んだうえで,PDTへの理解を深めるべきと考える。さらに耳鼻咽喉科医は,気管切開術を管理するすべての医師や医療従事者に対して,気管切開術とその術後管理の知識や技術を伝える役割も求められる。今後は教育資材やsurgical simulationを充実させて,気管切開術の術中および術後管理の教育プログラムを作成するとともに多職種との連携を強化していく必要がある。 このデータは,日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定の耳鼻咽喉科専門研修プログラムの全基幹施設のデータであり,耳鼻咽喉科医が執刀する気管切開術をほぼ反映していると考えている。80  付2.気管切開術とその術後管理に関する全国実態調査(東野正明・河田 了)

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