日本気管食道科学会会報 第73巻1号
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図1 年齢・性別分布III.結  果61例である。検討項目は年齢,性別,発生部位,発生様式,治療内容,経過観察期間,最終転帰,最終的な病理組織学的診断,悪性転化率とした。なお従来の報告4)と同様に,20歳未満の発症を若年発症型,20歳以上の発症を成人発症型とした。1.年齢・性別 対象症例61例のうち若年発症型は1例で,発症年齢は9歳であった。全体の手術時の平均年齢は51.9±19.7歳で,40歳代が16例(26%)と最も多かった。性別は男性40例(67%),女性21例(32%)であった(図1)。2.発生様式・部位 発生様式としては単発型26例(43%),多発型33例(55%)と多発型の方が多かった(2例は詳細不明)。発生部位別に比較すると,声門部が25例と日気食会報,73(1),2022図2 発生様式・発生分布2最も多く(うち単発型13例,多発型12例),次いで声門上16例(うち単発型12例,多発型4例),声門上〜声門下8例(いずれも多発型),声門上〜声門部6例(いずれも多発型),声門下2例(うち単発型1例,多発型1例),声門部〜声門下2例(いずれも多発型)となった(図2)。3.治療方法 当科での平均治療回数は2.3±2.6回(うち単発型で1〜6回,多発型で1〜17回)であった。 一般的に治療に用いられるレーザーはCO2レーザーやKTPレーザーであるが,当科では設備面の問題からNd:YAGレーザーにて代用している。当科での手術内容(延べ件数)は,Nd:YAGレーザーを用いた喉頭微細手術が116件と最も多く,次いで高周波ラジオ波メスによる焼■が5件,喉頭ファイバー下単純切除が2件であった(10件は詳細不明)(図3)。なお,薬物療法を行った例はなかっ

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