日本気管食道科学会会報 第73巻1号
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図2 dCRT時照射範囲(2008年)頸部・上縦隔照射2.0 Gy/回×30回:計60 Gy.図3 上部消化管内視鏡検査所見(2016年)門歯より42 cmの食道胃接合部の前壁に長径約1.5 cm,1/5周性の0-IIa+IIc型病変を認め,生検で低分化型腺癌と診断された.日気食会報,73(1),2022図1 dCRT時照射範囲(2007年)(a)前後対向2門照射1.2 Gy×2/回×15回:計36 Gy.(b)斜入対向2門照射1.2 Gy×2/回×10回:計24 Gy.30常範囲であった。上部消化管内視鏡検査所見:門歯より42 cmの食道胃接合部の前壁に長径約1.5 cm,1/5周性の0-IIa+IIc型病変を認め(図3),生検で低分化型腺癌と診断された。滑脱型食道裂孔ヘルニアを認め,食道胃接合部は食道裂孔部の約1 cm口側に位置していた。明らかなBarrett粘膜は認めなかった。門生活歴:食道癌治療後禁煙。飲酒(焼酎2合/日)長年。現病歴:食道癌治療から8年後に,フォローアップの上部消化管内視鏡検査にて食道胃接合部癌を指摘された。胸やけや呑酸など逆流症状はなく,その他の自覚症状も認めなかった。現 症:身長171 cm,体重80.5 kg。表在リンパ節は触知せず,腹部平坦軟。Performance Status:0。血液検査所見:血算は異常所見を認めず。放射線治療の影響による甲状腺機能低下(FreeT4:0.84 ng/dl,TSH:39.1 ■IU/ml)を認めた。腫瘍マーカー(SCC,CEA,CA19-9,シフラ)はすべて正

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