日本気管食道科学会会報 第73巻2号
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図1 QCサークル活動資料た。耳鼻咽喉科は2020年5月からCOVID-19診療チームとしてすでに病棟診療に従事していたが,専門病院化によりほぼすべての診療科の医師がCOV-ID-19患者の病棟診療を担当することとなった。 第3波で浮かび上がったCOVID-19診療の課題を表1に示した。患者側の課題としては,病院・施設クラスターがメインであり介護度が高いあるいは嚥下障害を含めた合併症を抱える患者が多いなかで,診療する側は医師も看護師も新しいチームでの診療となり,既存の診療システムの運用も困難となった。摂食嚥下支援センターはわずかに残った「既存の」多職種チームであることから,①各病棟に137「誰でも」記入できる相談ボードを設置する,②平日は医師・歯科医師・認定看護師が各病棟を巡回し,その他の職種も情報収集を行う,③カンファランスで検討し病棟へフィードバックする,といった能動的な介入を行う方針とした。2021年1月から6月までの間にセンターが介入したCOVID-19患者は28例(年齢平均84.0±7.8歳)であったが,介入経路は看護師からの相談ボードでの依頼が14例と半数を占めた。入院前と退院時のFunctional Oral Intake Scale(以下FOISと略す)の平均はそれぞれ5.8から4.1へ低下していた。FOISが低下した要因に関しては,呼吸機能障害による喀出力や日気食会報,73(2),2022

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