日本気管食道科学会会報 第73巻2号
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 2020年2月より癌化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発食道癌に対して免疫チェックポイント阻害剤ニボルマブが保険適用となった。PD-L1発現,腫瘍浸潤リンパ球(TIL)など腫瘍免疫動態はそのバイオマーカーとして期待されている。われわれはこれまで500例以上の食道癌データJ. Jpn. Bronchoesophagol. Soc.Vol. 73 No. 2, 2022本稿は第72回日本気管食道科学会の抄録/会議録である。1)熊本大学病院 消化器外科図1 食道癌における腫瘍免疫動態の網羅的解析166バンクおよび基礎的実験により,腫瘍免疫に関する網羅的解析を行ってきた(図1)。 ①血中リンパ球数とTILは有意に相関し,全身性免疫状態は腫瘍局所の免疫動態に影響を及ぼした。低栄養・低免疫応答症例は予後不良であり,食道癌においても腫瘍免疫は極めて重要である1)。日気食会報,73(2),2022馬場祥史1),問端 輔1),原田和人1),岩槻政晃1),吉田直矢1),馬場秀夫1)食道癌における腫瘍免疫動態の網羅的解析気管食道領域の基礎研究ワークショップ1

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