図1 チタンブリッジ手術ハンズオン用モデルA.硬質モデルにおいてドリルによる正中切開,B.軟質モデルにおいてメスでの正中切開.図2 声門開大スペーサー:甲状軟骨開創器ブリッジS,Mサイズ用とLサイズ用.183患者の声の詰まり症状が消失かつ嗄声がない最適な開大幅を決定することが可能であった。4.まとめ 革新的医療技術(チタンブリッジを用いた甲状軟骨形成術2型)の安全で効果的な普及を目的としたチタンブリッジ手術ハンズオン用モデルを開発し,チタンブリッジ実施医手術講習会で利用され受講者の技術認定に活用された。また手術工程を簡便化する目的で手術支援機器:甲状軟骨開創器を開発した。 これらのハンズオンモデルや手術支援機器によって本手術が国内のみならず海外においてもさらに普及することが期待される。 稿を終えるにあたり,チタンブリッジ手術ハンズオン用モデル作成や手術講習会の立ちあげに尽力いただきましたチタンブリッジ手術講習会ワーキンググループの先生方に厚くお礼申し上げます。 本抄録/会議録に関連し,開示すべき利益相反関係にある企業などはありません。日気食会報,73(2),20223.手術支援機器:甲状軟骨開創器の開発 手術を成功させるポイントの1つである患者の症状に合わせた最適なサイズのチタンブリッジ選択の過程では,従来はモスキートペアンなどを甲状軟骨切開部に挿入し,術者が左右に広げながら患者音声をモニタリングして甲状軟骨の開大幅を決定してきた。しかし片手操作のため声門開大維持が不安定になり,開大幅の決定に時間を要することや,サイズ選択が曖昧になることがあった6)。そこで容易に脱着が可能な声門開大スペーサー:甲状軟骨開創器を開発した(図2)。特徴としては,医療用チタンを素材として用い,成人男性・女性の軟骨の厚みを考慮し大小の2サイズとした。またチタンブリッジのサイズと甲状軟骨開創器のサイズを統一(2.0, 2.5, 3.0, 3.5, 4.0, 5.0, 6.0 mm)させ,サイズ表記と素材発色(陽極酸化)によりサイズの識別を容易にした。実際の手術では,甲状軟骨切開縁の頭側と尾側に,さまざまなサイズの甲状軟骨開創器を挿入し,
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