用1件であった。5.今後の課題 最後に今後の課題について述べる。当院に誤嚥性肺炎で入院し,VE後に介入した116名の予後を調べると,経口摂取が可能となり施設へ退院した症例でも49%が当院に再入院していた。原疾患や年齢にも影響されると思われるが,再燃が疑われる例は保存的治療の限界を見極め,外科的治療での介入が必要と思われた。 今後も嚥下障害に対する多職種による積極的な早期介入を行うとともに,われわれ頭頸部外科医師としては評価だけではなく,特に外科的治療での参入が必要と思われた。また嚥下の手術ができる病院が近隣にないとの理由で,県外から当院に来られる症例もいくつかあるため,各地域で嚥下の手術ができる病院が増えていくことが望まれる。 本活動に関してご協力をいただいた淡海医療センター栄養科の布施順子先生,リハビリテーション部の石井亜紀子先生に深謝致します。 本抄録/会議録に関連し,開示すべき利益相反関係にある企業などはありません。日気食会報,73(2),20221) Laurence ZR, Judith OH, Antoni S, et al:Screen-ing for undernutrition in geriatric practice:de-veloping the short-form mini-nutritional assess-ment(MNA-SF).J Gerontol 56(6):366─372, 2001.2) Detsky AS, McLaughlin JR, Baker JP, et al:What is subjective global assessment of nutritional sta-tus? J Parenter Enteral Nutr 11(1):8─13.1987.3) 兵頭政光,西窪加緒里,弘瀬かほり:嚥下内視鏡検査におけるスコア評価基準(試案)の作成とその臨床的意義.日耳鼻113:670─678, 2010.4) 河本勝之:誤嚥防止術と嚥下改善手術.頭頸部外科29(3):247─249, 2019.5) 河本勝之,森谷李吉,吉岡佳奈・他:当科における経口的な内視鏡下輪状咽頭筋切除術.日気食会報70(4):273─277, 2019.6) 河本勝之:嚥下手術・私の術式─経口的輪状咽頭筋切断術.嚥下医学4(2):155─157, 2015.7) 河本勝之:嚥下手術・私の術式─喉頭挙上術・輪状咽頭筋切断術併施2.嚥下医学8(2):153─156, 2019.132文 献
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