来を受診の際に,当院の歯科医が口腔内を再評価して,周術期介入計画を立案する。 リハビリテーション科医や理学療法士による運動療法,肺理学療法は術前に全例介入している5)。しかしながら,嚥下リハビリテーションに関しては,マンパワー的に困難なため,ハイリスク症例に限定して介入している。図1に示した術前嚥下スクリーニングのフローチャートを用いて,術後嚥下障害のハイリスク患者を抽出して介入を開始する。3.周術期 口腔ケアは歯科衛生士・看護師が中心になり,介入を継続している。消化器外科医が術後第6─8病日に嚥下造影検査を施行し,嚥下と吻合部の評価を行日気食会報,73(2),2022図2 摂食嚥下訓練フローチャート(食道癌術後)図3 食道癌術後患者への言語聴覚療法の流れ134う。誤嚥の有無だけでなく,咽頭貯留等の誤嚥のハイリスク例の診断に注意している。経口摂取開始の基準および摂食嚥下訓練フローチャートを図2に示す。 嚥下リハビリテーションの介入は,術前に抽出したハイリスク症例のほかに,術後透視で抽出した症例,声帯麻痺症例,経口摂取開始後に誤嚥を認めた症例なども含めて介入を行っている。これら対象となる食道癌術後患者への言語聴覚療法の流れを,図3に示す。重要なことは,嚥下の状態やリハビリテーションの進■状況など多職種で情報を共有し,方針を決定することである。
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