専門医制度規則
気管，食道，そして咽頭・喉頭は，呼吸と食物摂取という様々な生命維持活動の中でも最も基本的な 役割を担っている。これらは発生学的，解剖学的に極めて近い臓器であり，高度の協調運動によりはじ めて円滑に諸機能を果たすことができる。本領域の疾患では，生命への直接的な影響のみならず，形態 や機能の異常が呼吸，発声，摂食などに重大な問題を生じ，患者のQOL を著しく損なうことも多い。
従って，気管，食道，咽喉部の診療にあたっては，それらの解剖，生理，病理学的知識や各種疾患の 病態，検査・治療法の知識と基本的技術を有していることが望まれる。しかし，実際の診療では，気道 系，食道系，咽喉系の各診療科（呼吸器内科・外科，消化器内科・外科，耳鼻咽喉科など）を中心とし て別個に扱われ，いわば臓器別，縦割り診療となっているのが現実である。
日本気管食道科学会はこれら領域の疾患を学際的に統合して研究する組織であり，各関連診療科の医 師が参加し，従来の診療科の枠を越えてより良い医療への還元を目指して研鑚を積んでいる。このよう な観点から，当該領域に関する十分な知識と専門的技能を有する者を気管食道科専門医と認定し，気管 食道科領域の専門的診療の充実をはかるとともに啓蒙活動を行う。
資 格
- 第1条
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「資格」
本学会会員歴が申請時引続き5年以上の医師で，次の認定基準を満たすもの。
認定基準
- 第2条
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「認定基準」総則
- 基本領域の学会の専門医・認定医の資格を有すること。
- 本学会認定の研修施設において，本学会所定のカリキュラムに沿って，基本領域の学会の研修期間を含め，通算5年以上履修したことを本学会所定の研修記録簿によって証明すること。但し、初期臨床研修期間は、本専門医制度の研修期間に含めない。
- 本学会所定の単位を取得すること。
- 本学会評議員1名の推薦を得ること。本学会所定の試験に合格すること。
以上の5項目の全てを満たすこと。
- 第3条
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「認定基準」細則
- 基本領域の学会の専門医・認定医とは，耳鼻咽喉科は耳鼻咽喉科専門医，外科系の診療科は外科専門医・認定医，内科系の診療科は日本内科学会認定内科専門医・認定内科医，その他の診療科はその診療科の学会の専門医・認定医を指す。
- 本学会認定の研修施設とは，
- （イ）日本気管食道科学会認定気管食道科専門医＊1名以上が勤務し，本学会所定のカリキュラムに沿った研修が可能な設備と機能を有する施設を指す（＊本制度発足後5年間は日本気管食道科学会認定医をもってこれに代えることが出来る）。
- （ロ）本学会所定のカリキュラムを文末の表1：日本気管食道科学会認定気管食道科専門医制度規則に、研修施設が備えるべき要件を表2：研修施設が備えるべき要件に示す。
- （ハ）研修施設の認定方法は、
- 本学会の所定の単位は，下記に示す単位表より通算5ヶ年間に50単位以上取得することを要す。ただし30単位以上はA項目によるものとする。
- 評議員による推薦は，学会所定の書式によるものとする。
- 試験問題は，本学会所定のカリキュラムの中から出題する。
申請方法
- 第4条
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「申請方法」総則
- 日本気管食道科学会認定気管食道科専門医の申請を希望するものは，専門医申請書類（A，B，C，D）の送付を学会に申請する。
A.申請書 B．研修記録簿 C．取得単位申告書 D．推薦状 - 申請書（A），研修記録簿（B）および取得単位申告書（C）に必要事項を記入し，推薦状（D）と基本領域の学会の専門医証・認定医証のコピーを添えて本学会評議員1名に提出し署名を得る。
- 上記の申請書類（A，B，C，D）と基本領域の学会の専門医証・認定医証のコピーを所定の審査料とともに学会あて申請する。
- 日本気管食道科学会認定気管食道科専門医の申請を希望するものは，専門医申請書類（A，B，C，D）の送付を学会に申請する。
- 第5条
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「申請方法」細則
- 申請書類A，B，C，D は学会が定める。
- 取得単位申告書C については，
- （イ）A 項目の日本気管食道科学会，日本気管食道科学会認定気管食道科専門医大会の出席については学会から送付される出席単位表を申請書類に添付する。本出席単位は，参加票を学会場に提出することにより登録される。
- （ロ）A 項目の世界気管食道科学会議とB 項目の気道食道領域に関連する学会・研究会ならびに講習会の出席については，参加票または領収証のコピーを添える。
- （ハ）発表と論文の単位については自己記入とし，その証拠（会期記載のあるプログラムの表紙と抄録のコピー，別刷の1頁目のコピーなど）を添える。
- 評議員は，申請者が「認定基準」の第2条「認定基準」総則の第1 項から第3項までを満たしていることを確認した上で，推薦状に署名する。
- 審査料は1万円とし同封の振替用紙にて送付する。一度納入された審査料はいかなる理由があろうとも返還しないものとする。
- 申請書類の提出期限は毎年6月30日までとする。
認定方法
- 第6条
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「認定方法」総則
- 専門医申請書類の審査と試験，および認定は学会が行う。
- 申請書類の審査と試験はそれぞれ年1回とし，年次総会前に行う。
- 申請書類の審査通過後，試験に合格したものは理事会の承認を得る。
- 承認されたものは認定料の納付により日本気管食道科学会認定気管食道科専門医として登録され，専門医認定証をうける。
- 専門医の称号は，日本気管食道科学会認定気管食道科専門医（外科食道系），日本気管食道科学会認定気管食道科専門医（外科気道系），日本気管食道科学会認定気管食道科専門医（咽喉系），日本気管食道科学会認定気管食道科専門医（内科気道系），の4種類とする。
- 専門医の英語表記はBoard Certifi ed Bronchoesophagologist とする。
- 第7条
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「認定方法」細則
- 学会内に専門医申請書類の審査と試験のため「専門医資格審査委員会」を設置する。
- 委員会は，理事長の委嘱する若干名をもって構成し，会に委員長をおく。委員の任期は2年とし，再任を妨げない。
- 委員会は過半数の出席をもって成立とし，出席者の過半数により議事の可否を決する。
- 委員会は毎年7月1日以降，年次総会前に委員長が召集する。ただし，委員長が必要と認めた場合には臨時に召集できる。
- 認定料は3万円とし，一度納入されたものは返還しないものとする。
更新手続き
- 第8条
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「更新手続き」総則
- 専門医の有効期間は5年とし，更新手続きは5年ごとに行うものとする。
ただし，病気，出産，育児，海外留学等のやむを得ない事情により専門医資格更新の要件を満たすことができず，更新期限の延長を希望する者は，学会所定の更新期限延長申請書に事情を証明できる書類を添え，専門医制度委員会に提出する。専門医制度委員会の審議の上，理事長は更新期限の延長を認めることができる。 - 更新資格を有するのは，更新申請時本学会会員歴が引続き5 年以上で，第3 条3 項に定める単位を取得したもの。
- 申請にあたっては，本学会所定の「更新手続申請書」ならびに「取得単位申告書」に更新審査料をそえて学会に申請する。
- 審査は本制度規則第6条・第7条「認定方法」に準じて行う。
- 専門医の有効期間は5年とし，更新手続きは5年ごとに行うものとする。
- 第9条
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「更新手続」細則
- 更新および更新期限延長申請の手続きは，原則として専門医有効期間最終年度の6月30日までとする。
- 更新審査料は1万円とし，一度納入されたものは返還しないものとする。ただし，前回更新時年齢が65歳以上の専門医は更新審査料を免除する。
- 更新認定料は1万円とし，一度納入されたものは返還しないものとする。
資格喪失
- 第10条
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「資格喪失」
専門医は，次の理由によりその資格を喪失する。- 本学会会員の資格を喪失した場合。
- 専門医の有効期間経過後，所定の更新手続を行わなかった場合。
- 本制度の主旨に著しく反すると認められる行為があった場合。
- 第11条
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本規則を改訂する場合は理事会の承認を得ることとする。
本制度は平成17 年11 月17 日より発足する。
平成21年11月5日一部改訂。
平成24年7月13日一部改訂。